なんて思ってたのも束の間。


また俺の左腕に抱きついて校内を歩く。


もちろん、舞はそれなりに美少女だからすれ違う男達は振り向くわけだ。


蘭子に会いませんように………。



「……諒哉?」


くいっと俺の制服の裾を引っ張る指。


「ら、蘭子……ははっ!おっはよー!」

「へー………新学期から堂々と浮気なんて、いい度胸じゃん」

「ち、ちち違うから!!」

「諒ちゃん誰~?」

「諒哉。このちっさい女誰?」


マズイ。


いい加減、蘭子に勘違いされてほんとに愛想尽かされる………。


絶対にヤダ!!



「ま、いいわ。どうでも」

「え?蘭子…?」

「諒哉が女遊び激しいのは今に始まったことじゃないし。あたしそんなに器小さくないから」

「違うんだって!俺の幼なじみだって!」


べーっと舌を出して不機嫌丸出して、C組の教室に入ってった。


これ完全に“浮気”って勘違いされてんな……。