当日、あたしはチョコクッキーを持って学校に行った。
喜んでくれるといいなー……なんてあたしらしくない。
階段を昇って教室に向かえば、チョコの香りが広がる廊下。
それと同時に見えた、女子に囲まれる諒哉、音瀬、鬼田。
「諒哉く~ん♪チョコ受け取って~!」
「あたしもー!!」
「はいはい!待って、みんな順番に!」
慣れてる対応腹立つ。
てか、そもそも………
諒哉が女の子と仲良くすんのヤダ。
あ………もしかしてこれが嫉妬?
気持ちいいモノじゃない。
悔しいから諒哉を無視して、教室に入れば机に突っ伏してアウェイ感満載のありす。
「おはよ。ありす」
「あ……おはよっ。蘭子ちゃん」
「……あんなに張り切ってたのに、当日になって元気ないね」
「えへへっ。……うん、銀くんモテすぎ……腹立つの…嫉妬ヤダ」
泣きそうな顔でまた机に突っ伏す。
嫉妬する器の小さい自分にもイライラして、嫌になるんだ。
「あたしも……一緒。ありすと」
「ほんとに!?モテる彼氏さんは大変だよね」
ほんとそれ。

