パクっとケーキを食べて、嬉しそうに顔を緩ませた。


こんな笑顔見れるのも彼女であるあたしだけの特権。


あぁ……あたしまで頬緩む。


「蘭子にも食べさせてあげよっか?」

「いっ、いいよ。あたしはケガしてないし自分で食べれる……」

「ほい、あーん」

「一口デカイ。一応、女の子」

「食え食え~♪」


楽しんでて全く聞いてないし。


フォークに乗せた大きなショートケーキの固まり。


パクっと食べれば、もちろん口の周りはクリームだらけで咄嗟に手で隠す。


そんなあたしの手首を掴んで、ゆっくりと近付いて来る諒哉の整った顔。



重なった唇と唇。



「ごちそうさまです」

「最初っからコレ目的だったんでしょ?」

「分かられちゃったか~!」


分かるに決まってんじゃん!!


もう顔熱いし……。


「でも、まぁ……めっちゃ可愛かったよ」

「ざけんな」

「ひどっ!痛っ!」


脇腹にグーパンチ。