あたしじゃまだ物足りない?


諒哉の話を聞いてあげるほどの器量くらいあると思ってた。


言ってくれない方がちょっと………ビミョー。



「でも……蘭子来てくれて嬉しいなぁ~俺」

「悔しいけど心配になった。電話出ろ。諒哉嫌い」

「ごめん、ごめん!暇なかったんだって!」

「学校まともに来てないのに忙しいんだ?浮気でもしてんの?」

「してません!いててっ!」


腹立つから、脇腹にグーパンチしてやった。


それでもヘラヘラ笑って誤魔化してさ………


もうなんなの。


あたしが泣きたくなる………。



「どしたの蘭子?おいで?」

「いいっ。…帰る。帰りたい」

「はぁー………泣きそうになってる彼女帰せるほど俺、冷たくねぇんだわ」


ぐっと引っ張られた手首。


そのまま諒哉に倒れ込んで、抱きしめられたままベッドに寝っころがった。


「大丈夫。俺強いから」

「強いヤツがなんでケガしてんのよ」

「手加減してやってるんですぅー」

「……あっそ。てか、制服シワになる」

「大人しく抱き枕にされてなさい」



今だけ大人しくされててあげる。


少しでも諒哉を側に感じてたいから。