不服に思って俺は唇を尖らせる。


それを見てまた溜め息をついた銀。


別に自覚とか不必要だし~。



3時間目が始まろうとしてた休み時間。


ふわっとアクビをかまして教室に入って来た長身赤髪の男。


「大地おはよ~」

「おっはよー。諒哉は相変わらず笑顔だし、朝から疲れてる銀たん!」

「うるさい。黙れ」

「これだから銀たんは……ねぇ~♪」


俺に同意を求めてるコイツこそが、俺らにとって必要不可欠!


鬼田大地(キダ ダイチ)も小学校からの仲間で、ケンカ番長兼切り込み隊長!


俺よりもケンカなら強いんじゃないかな?



「でもよ~噂って早いよなぁ。もう、トップは諒哉って広まってんじゃん?」

「ほんと不思議だよね。つーか、なんで俺がトップなの!?」

「バカ。言い出しっぺお前だろ。じゃんけんして勝ったヤツの名前を広めるって」

「あ、そっか!俺が一人勝ちしたんだ!」

「それと………こんだけ怪我してたら、分かるだろ」


冷静に話す銀は、たまに年上じゃねぇかなって思う。


俺がじゃんけんして勝って………名前は俺、だけか。


くだらなくて笑える~!!


あー!!!


でも笑ったら口の傷が痛い………。