蒼が優しくて、愛しくて。 ずっと一緒にいたくて。 新たな涙が頬を流れる。 「唯ちゃん? 俺、どうしたらいいかな?」 蒼が静かにそう言って、一歩また一歩と近付く。 ……駄目。 蒼に近付くと、蒼に触れると、あたしはまた蒼から離れられなくなる。 「帰りなよ。 人気者なんだから」 あたしの口から出る言葉は皮肉。 可愛くない、ひがみっぽいあたし。 こんなあたしだから、余計に心配になるのかもしれない。 だって…… 例の彼女、性格もすごく良さそうだから。