鏡を見ると、鏡の向こうには惨めなあたしが写っている。
はぁ、不細工。
せめてにこにこ笑っていればいいのに。
こんな負け犬みたいな顔、蒼に見せられない。
今度こそ蒼に愛想尽かされちゃうよ。
必死で涙を堪えようとする。
それでも、涙は次から次へと溢れてくる。
悔しくて、目の前が真っ暗で。
蒼に問い正したい。
だけど、聞くのが怖い。
あたし……
どうすればいいの?
微かに聞こえる人々の騒ぎ声と、スピーカーで拡張されたスタッフの指示の声。
何も知らなかったら、あたしは笑顔であそこにいた。
蒼に痺れて、亜美と笑いあって。
……本当に、知らなければ良かった。



