結局、鬼の優弥さんの無茶ぶりによって青春オレンジを演奏させられるFのみんな。 死に物狂いで楽譜を読む目は本気だ。 いつもはおバカでも、真面目にやらない時があっても、Fのプライドは捨てられない。 そのためには、どんな無茶ぶりでも受けて立つ。 そんな姿勢に尊敬する。 「なぁ、俺らにはもったいないはっちゃけソングだ」 ドラムを軽く叩きながら賢一が言う。 「F風にやる? それとも……」 「決まってるでしょ、そんなの」 蒼は慎吾と賢一に向かってにこっと笑う。 それを見て、二人も笑顔で頷いた。