「ふざけた連中だ」 顔を歪める彼は、今日の目玉グループ キングのボーカル、カズ。 「ごめんちゃい」 思わずそう言った俺を、優弥が叩く。 金髪のズラがずり落ちそうになって、慌てて押さえた。 「てめぇらのせいで、今日のライブはボロボロ」 カズは怒りに歪めた顔で俺を見た。 「だけど……すげぇな、お前ら」 「え?」 びっくりしてカズを見る。 カズはぷっと笑って俺を見た。 「お前ら、馬鹿だけどすげぇや。 俺たちのファン、完全にお前らに持って行かれた」 「そんな……」