続・危険なアイツと同居生活




意識しないようにするが、胸がいっぱいになってしまって。

感動して泣きそうになる。




ふと、戸崎さんの手を見る。

相変わらず荒れたその手。

その手が努力の跡を物語っている。

戸崎さんも努力しているんだ。

きっと、俺なんかよりもずっと。

努力してあの演奏を手に入れるんだ。






「頑張ってね、ライブ」




戸崎さんはそう言ってくれる。




「いくら間違えても、喰らいついたらいい。

自信を持ちなよ。

彼女、絶対喜んでくれるよ?」




なんでそんなこと言うの?




「大丈夫。中山なら上手くいくよ」




俺、ますます戸崎さんのファンになってしまう。