そんな中、俺は建築士としてこの会社に入社した。
そして初めてこのフロアに入った時……
びっくりしたんだ。
「戸崎」
そう呼ばれる先輩は、碧にそっくりだったから。
黒い短めの髪に、記憶の中の碧より少しだけ太めで整った眉。
アーモンド型の瞳に、すらっと通った鼻。
戸崎さんは真面目で仕事熱心で。
だけど、お茶目でおかしくて人気者で。
親睦会ではデタラメな歌を歌いながら率先してTODAYを踊ったりしていて。
俺の中の碧とは全く違った。
部所に配属され、まだ馴染めない俺にも優しく話しかけてくれた。
そんな戸崎さんが大好きだけど……
大好きだからこそ、俺は可愛げのない言葉ばかり投げかけていた。



