ふと、後輩たちのデスクを見る。
いつものようにガヤガヤ騒ぐ後輩の横で、下を向いている中山。
今日の中山は、本当に様子がおかしい。
俺のせい……
だよね。
俺の視線に気付いた先輩。
中山を見て、少し困ったように言った。
「どうしたんだろうな、中山。
いつもだったら戸崎に飛びついてくるのに。
戸崎さーん!弁当まずそう!!
戸崎さんの幸せ面見てたらイラつきます!って」
「そうですよね……」
俺には何となく分かる。
中山は、心のどこかで俺を碧と認めていなかったんだ。
馬鹿な俺を憧れの碧と一緒にしたくなくて。
だけど、それが思わぬ形で証明されてしまった。
昔から言われていた。
イメージは大切だから。
だから、碧と全く違う本性がバレたら、幻滅する人もいるよって。
実際、そんな人はたくさんいた。
騙していた訳ではない。
でも、騙していたも同然だ。
碧はクールでもかっこ良くも何ともない。
……普通の馬鹿な人間だ。



