「戸崎さん……」
後輩たちは俺を見て、死にそうな声を出した。
中山に至っては、顔を真っ赤にして下を向いている。
何だかこんな後輩を見ていられなくなってしまって。
「いいよ」
訳の分からない返事を返していた。
まったく、自分のお人好しにはびっくりする。
忙しくして、自分の首を締めるだけなのに。
迷惑だと思った。
余計なお世話だと思った。
でも、本当は嬉しかった。
Fのことを好きでいてくれて。
俺の言葉を聞いた瞬間、顔を輝かせる後輩。
中山は真っ赤になったまま、目に涙を浮かべている。
「さっすが!
宴会部長の戸崎さんは違いますね!」
「でしょ?感謝しなよ~?」
俺は、後輩たちと一緒にそう笑っていた。
後輩たちも楽しそうに笑っていたけど……
中山は真っ赤になったまま俺を振り払い、走り去ってしまった。
「何だあいつ」
笑う後輩たち。
俺は、そんな中山の背中を見つめていた。



