「なによ、女たらしなんて嫌だわ」 「紅さんが本気なら、遊ばねぇっす。 それに最近思うんだ。 大切な人がいる奴は羨ましい……」 「それ、蒼のこと?」 そう言って紅さんは笑った。 蒼そっくりの太陽みたいな笑顔で。 「優弥ちゃん。 今夜飲みに行かない? あたし、明日、成田からミラノまでフライトなの」 「もちろん」 「俺も!」 声を上げた蒼を、紅さんは睨む。 そして言った。 「ガキは黙ってな」