「紅ちゃん……。
悪いけど、たーくんに紅ちゃんはもったいないよ」
困ったように言う慎吾。
「そうッすよ!
紅さんならもっといい男いますよ!!」
賢一もそう笑顔を作る。
紅さんはそんな二人をすごい勢いで睨んだ。
「慎ちゃんは、松原多恵と両思い叶ったんでしょ?
賢君もイケメンじゃん!!」
「ねーちゃん、訳分かんない」
そう言った蒼の唇を、例外なくつねる紅さん。
「あんたが一番ウザい!!」
どうやら蒼のせいで失恋した紅さんの怒りはすごいようで。
何を言っても聞かない。
こんな時に動き出したのは、この男だった……。



