「よっしゃあ!やる気出るねぇ!!」 真っ白な雪山を眺め、蒼が叫んだ。 黒いニットに、いかついゴーグル。 アースカラーのパーカーのようなジャケットに、デニム生地のパンツ。 手には派手なスノーボードを持っていた。 「怪我すんなよ。 お前は前科がある」 優弥さんはそう言いながら煙草の煙を吐く。 「当然じゃん。 ……てか、優弥センスいいね! 柄に柄を合わせるなんて、普通の感覚じゃ出来ない! ……ぷっ」 「うるせぇよ」 優弥さんはそう言って、その個性的なサングラス越しに蒼を睨んだ。