あたしの足元では、蒼が脇腹を抱えてしゃがみ込んでいて。 「いったいなぁ…… ねーちゃんは相変わらず乱暴だ……」 苦しそうにそう呟いた。 「そしてあんたはキモいよ」 紅さんはふんっと鼻で笑い、あたしに向き直る。 「ごめんね、唯ちゃん。 ふしだらで甲斐性のない弟で」 そんな紅さんに、 「いえ……」 と言うことしか出来なかった。 あぁ、あたしは顔が真っ赤だ。 蒼に狂わされ、紅さんにあんな場面を見られて。 恥ずかしいよ。