「あたし……」 発せられたあたしの声は震えている。 あたしが真実を吐くと、店長や坂田さんを困らせるに違いない。 坂田さんは碧が嫌いだし、店長は蒼に意地悪をしたし。 だけど…… 「唯ちゃん、上がっていいよ」 店長はふっと笑う。 あたしは、そんな店長の顔を目を丸くして見ていた。 店長はその黒髪をかき上げ、優しい笑顔でこう言う。 「早く彼を追いかけなよ」 「……え!?」 「知ってるよ。 君が彼の彼女でしょ?」 「えぇぇ!!?」