「どうしたの?」 そう聞くと、 「何でもない」 無理に笑うのがバレバレだよ。 「疲れたから帰っただけだよ」 そう言ってあたしの頭をくしゃっと撫でる。 そして、あたしに背を向けて、蒼の部屋に入っていく。 とぼとぼと。 丸分かりだよ、蒼。 何か辛いことがあったんだね。 あたしは、蒼の辛さを完全には分かれないけど…… 力になりたい。 蒼が辛いと、あたしも辛い。