「あ……あぁ…… ケーキを……」 戸惑ったように言う蒼。 あたしの空気を察して、知らないふりをしてくれているようだ。 蒼の前で完全に固まっているあたし。 気まずい沈黙が訪れた。 すると…… 「お客様。 店内でお召し上がりですか?」 あたしの肩を抱き、少し脇に除けながら店長が助けてくれた。 ほっと胸を撫で下ろすのも束の間、あたしの肩に置かれた店長の手を蒼がガン見している。 まずい! 誤解された!?