一曲目は『白夜』。
ひたすらクールで激しいその曲。
少しだけギターをかじったあたしには、改めてFの凄さが分かった。
玄の狂いのない複雑なドラム。
酙の力強いスラップと、変化に富んだベースライン。
そして、艶の奏でるリードギターは神の領域だ。
どうしたらそんなに指が動くの?
そんなに激しい音が出るの?
何をどう弾いているの?
それから……
あたしの大好きな碧の声。
強くそして鋭く。
時に甘く舐めるように。
身体を快感が貫く。
耳から入って、身体全体を支配する。
碧に抱かれ、身体中を弄ばれ、粉々にされているみたい。
甘くて艶っぽい瞳で睨むように見られ、その唇で首すじを吸われ……
あぁ、もうだめ。
あたし、やっぱりおかしい。
いつまでたっても碧に慣れない。
知れば知るほど、近付けば近付くほどはまり込んでしまう。
……底なし沼のように。



