そんな時…… 「はぁ!?」 マンションに、蒼の大声が響き渡った。 「嘘でしょ? てか、絶対やだ!」 そう言ってバタバタ廊下を走る音が聞こえ、荒々しくリビングのドアが開かれる。 ドアを開け肩で息をしている蒼は、テレビの中の碧と全く違っていた。 少し逆立った髪。 顔は助けを求めるように歪んでいて。 見開かれた瞳。 口からは吐息が漏れた。 「唯ちゃん……」 蒼は肩で息をしている。 「優弥を……止めて!!」 「え!?」