「いいのかよ、蒼」 ハルの声が聞こえる。 小声のつもりらしいが、結構な大声だ。 「大丈夫だよ」 蒼は静かにそう言った。 「俺は唯ちゃんを信じてるから」 ズキン…… あたしの胸が痛む。 あたし、何やってんだろ。 あたしには、蒼しかいないのに。 久美ちゃんのことで散々悩んでおきながら、蒼にもしんどい思いをさせている。 「店長、どうしてそんなに蒼をいじめるのです?」 思わずそう聞いていた。