「何から話したらいいかな」
蒼があたしを見る。
その視線に耐えられなくて、あたしは俯いた。
「……うん、そうだね。
まずはあの娘の話」
胸がどきんとする。
これから蒼の口から飛び出す言葉を思うと、あたしの身体は震えだす。
真実を知りたい。
だけど、怖い。
だって、耐えられないかもしれないから。
真実を聞いた瞬間、あたしの大好きな蒼は消えてしまうかもしれないから。
「唯ちゃん、大丈夫だから」
蒼は震えるあたしの手を握る。
あったかくて優しくて。
少しだけ不安が和らぐよ。
あぁ、蒼の力ってすごい。
そんなあたしを見て、すごく優しい顔で微笑む蒼。
その笑顔に泣きそうになった。



