初恋を君に。

「わっ、すいませんっ」
誰かにぶつかった。
顔を上げると
「前方不注意。俺の方こそごめん」
聖太だった。
「あー、なんかさっきさ、和哉泣いてたぞ?クラスでなんかあったのか?」
「え?…なんでだろう。クラスではなんもないけど…。」
「そうか、じゃあ俺陸上だから、」
「あっ…。聖太…頑張ってね…!」
聖太は一瞬、驚いた顔をしてから満面の笑みで
「おうっ!ありがとな!」
そう言うと颯爽とグラウンドへ戻っていった。