初恋を君に。

(し、聖太様!!)
ぶつかったのは聖太様だった。
「ごめんね!今拾う」
「あ、いえ!大丈夫です!」
「なんで敬語なんだよ、前までタメだったじゃーん」
聖太様は笑いながらそう言うとあっという間にキャップを全部拾い上げてくれた。
「はい、どーぞ」
「あっ、ありがとう!」
「うん、じゃあね」
聖太様は笑顔でそういうと颯爽と帰っていった。
(あ、そっか。学級委員の時話したことあるんだ。)
私はその後ろ姿を見えなくなるまでずっと眺めていた。