金曜日までの日々は、特に何にもなく、いつも通りに過ぎていった。
中原さんが帰ってきたのは、金曜日の午後のことだった。
スーツケースを持って、オフィスに入って来た。
「皆、お疲れ〜」
「「あっ!中原さんお帰りなさい!!」」
殆どの、スタッフがやっと帰って来てくれたって顔で迎えている。
やっぱり、この人この会社にいなきゃいけない人なんだな…
皆、来年には中原さんがこの会社にいなくなるって聞いたら落胆するだろうな…
そんなことを考えていたら…
「愛花ちゃん、ただいま」
「おっお帰りなさい」
「ちょっといいかな?」
「はい…」
中原さんに呼ばれ、喫煙室の横の自動販売機の前に行った。
その横には、ベンチがいくつかあって、そこで少しだけ話をした。
「今日でよかったかな?こないだのメールの件…」
「あっ、はい」
「で、今日はたぶん仕事遅くなるんだよね…」
「そうなんですか?」
「出張の報告書のまとめと5日分の通常業務をこれからやるんだ…」
「ああ…」
「まあ〜明日も休日出勤なんだけどね…」
「お忙しそうですね…今日じゃなくても大丈夫です…」
「いや〜愛花ちゃんといるだけで、癒されるんだから、頑張って終わらすよ」
また、さらりと恥ずかしいことを言う…
また、赤くなるよ。
「わ、わかりました」
「ごめん…じゃあさ今日は、家で待っててよ。迎えに行くし」
「え?でも悪いんで、連絡頂ければ行きます」
「22時とか23時とか下手したら日付跨いじゃうよ…」
「そうなんですか?わかりました待ってます」
「よかった。仕事捗りそうだよ!じゃあ、戻るね」
「はい…」
また、待つのか…
でも、今日言わなきゃね!

