すると、岳はわたしの左手を握った。
「これ以上無理だ!俺、愛花のこと好きだ」
「…」
「軽くかわさずに答え聞かせて」
「ありがとう。岳」
「うん」
「私、気づかなかった…高校の時の…鈍感だな…」
「鈍感すぎるよ!皆、知ってたよ」
「知らなかったの私だけ?」
「そう」
「告白されたのも覚えてない…」
「は?マジで?」
「うん」
「高2の終わりぐらいに、初めて一緒に帰った時、「好きなんだけど」って言ったんだ」
「え?そうなの?」
「そしたら、携帯鳴って「ごめん!」ってそのまま「お母さんに買い物頼まれたから!帰るね」って…」
「え?本当に?私最悪…ごめん…」
「結構、ショックでさ、もう諦めようと思った」
「ごめんね」
「でも、またクラス一緒になったし、6人で連んで楽しかったから、ずっと好きでいれた」
「ありがとう」
「で?」
「で?って…」
岳が握った手の力が強くなる。

