「おはよ」
「おお」
「あっ…違った…こんにちは」
「ああ」
「…」
「…まあ、入って…」
「ありがとう」
緊張し過ぎて上手く喋れないし、岳の顔も見れない。
部屋に入ると、コーヒーの香りがした。
ソファ前のテーブルにタブレットが置かれていた。
「好きなとこ座って」
「うん」
私は、ソファに座った。
「なんか飲む?コーヒー、紅茶、お茶あるけど…」
「じゃあ、いい香りしてるし、コーヒーで」
「おっ、やっぱり?」
「え?」
「ミルクだけ入れて?」
「うん」
「変わらないな、俺も同じだし…」
「…」
昔からコーヒー派だった私たち。
他の4人は、紅茶とかジュースとか選ぶけど、岳と私はいつもコーヒーでミルクだけ入れてた。
「はい」
岳からマグカップを受け取った。
「うっ、美味しい!」
「やっぱり?昨日、豆買ったんだ。これイケてるよな」
「さすがだね。わかってる」
目が合って、すぐに逸らしてしまった。
岳は、私の隣に座った。

