佐川くんと響子の家を出た瞬間…



あ…



岳と二人っきり…



どうしよう…



「まだ、ちょっと寒いな」



「うん」



ここから、15分ぐらい岳と歩いて帰らなきゃいけない…



話し出来るかな?



「体調大丈夫?」



「うん。岳も大丈夫?」



「俺は、あれから絶好調」



「そっか、鍛えてるもんね」



「あの時、愛花がいなかったら、絶対に長引いてたな…」



「…」



話は出来てるけど、続かない…



意識しちゃって…



ちさきさんのこと聞けなし…



沈黙が続いた。



「なぁ、愛花?」



「ん?何?」



「俺のこと避けてただろ?」



突然、岳が言った。