めぐりあわせ






『え?え?なんで?』



響子は、泣き過ぎてて話が出来ない。



『今、何処にいるの?』



『…外…』



『迎えに行くから、外のどこ?』



『…わから…わからない…』



『え?もう〜、そこには何があるの?』



『…木…』



『新居から出てきたってこと?』



『…うん』



『公園かな?』



『…たぶん、そう…』



『その辺で待っててね!』



どうやら新居から飛び出して、まだ、周辺を知らない響子は道に迷ってしまったようだ。



電話を切って、響子を探しに行く。



たぶん、あのウォーキングコースの公園だ。



公園の入り口の一番近くのベンチに響子は、座っていた。



「響子?」



「…あいちゃん…」



響子は、私を見つけて抱きついてきた。



「もう、心配したんだから!大丈夫?」



「…だ…大丈夫じゃない…」



「よし!とりあえず、私の家に行こう!」



「…うん…」



私は、響子を少し抱えながら歩き、家に着いた。