「一緒に住もうか。」

「……。」


一緒に、住む?

突然の提案に思考が停止した。


「何固まっとんねん。」

「だって、急すぎて。」

「麻衣子だけ引っ越しても尾行されて家突き止められるかもわからんやん。危ないやろ。」

「そうだけど。」

「俺が一緒におったら少しはマシちゃう?」


拓馬が同じ家にいてくれたら。きっと安心して眠ることが出来るだろう。こんなに心強いことはない。


「便乗してるみたいであれやけど、もっと麻衣子とおりたいし。こんなことになって一人で置いとくの心配やねん。な、一緒に住も。」

「うん。……私も拓馬がいてくれたら安心。」


こうして交際約一年二ヶ月、私たちの同棲が決まった。