あれからあたしたちは一度も喋らなかった。 浩太と美野里は今まで以上にラブラブで、 見てると胸の奥が痛かった。 「卒業おめでとうございます」 校長先生の声が体育館に響く。 あたしたちは今日、卒業する。 桜並木を通るのも今日が最後だな。 満開じゃなかったけど少しだけ桜が咲いていた。 「美緒、もういいの?」 「うん。もう諦めついたから。ありがとう、理子」