たゆたえども沈まず


すみません、と口端を上げた。

「ありがとうございます、わざわざ来て頂いて」

「いやいや、瀧本に授業出るように言いに来たのもあったから」

「部長、単位大丈夫なんですか?」

「後輩に心配されてどうすんのよーもう」

ばしばしと背中を叩かれている。あ、痛そう。

遠い目をしている部長を見ていると申し訳ない気持ちになってしまった。でも、二年のときは放送室に常にいた部長に、江戸先輩のような訪ねてきてくれる友達がいたことに、後輩ながら涙が出るほど嬉しい。

「それと、その時から松潟先輩が艶野に会ってるかどうか、なんて分からないですよね……?」