たゆたえども沈まず


言うと、笑って久喜は受け取った。

二人で三つの中華まんを食べて私は家に帰る。

お察しの通り、私は帰ってくるのが遅いとお母さんに怒られ、久喜と関わるのは止めなさいと言いつけられた。

それからずっと、その言いつけを守らず生きてきたわけだけれど。

顔を上げると、11時半を過ぎている。

「寝ちゃってた……」

制服から普段着に着替えて、携帯をポケットから出した。一緒にあの袋が出てくる。

ずっと、忘れていた。

中にあるピアスを袋越しに指で触れる。

お腹空いたなあと思いながら携帯を開いた。新しい後輩からのメッセージがあって、すぐに返していないことに申し訳ないと感じる。