「俺、トランペット下手くそだからさ、自主練。」
そう言ってふわりと笑う。


「あ、そうなんですか‥」
私は気がきいた答えを言うこともできない。

なんかもう少しまともな答えはなかったのだろうか‥
自分であきれてしまう。



「名前、なんだっけ?」

「あ、菊池ひかりです‥私のこと、覚えてた‥?」

「うん。昨日のケータイの子。」

「あ、はい。」


「菊池さんね。俺は星川。よろしくね」

「あ、よろしくお願いします‥」

私はぺこりと頭を下げた。
彼はニコニコとしている。