「まぁ君の方は覚えてなくとも仕方ない
 かもしれないな。
 会ったのはほんの一瞬だったからな。」


私がまた目を丸くしていると、金髪男は
1人で勝手に理解したように頷いている。


「あなたの話はよくわからないけど…
 とにかく、そんなほんの一瞬会っただけで
 子供ができるわけないでしょ!
 つくならもっとマトモな嘘をつきなさい!

「……?
 何故、ほんの一瞬会っただけでは
 子供ができないと言い切れる?」


今度は金髪男の方が目を丸くしている。


「……あ、あんたね…!!」

「こっちの世界では、どうやって子供が
 できる仕組みなのだ?」


「~~~~っもういい!////」


こいつの妄想話に付き合っていたら、
日が暮れてしまう。

もうこれは新手のセクハラだわ。


そう解釈した私は、金髪男を無視して
1階へ下りようとした。