アレンはレイを真っ直ぐに見たまま口を開いた。


「俺、『あれ』を受け入れたからこれからまたかなり忙しくなると思う。

もう旅もできなくなるけど…、レイ達とは仲間でいたい。

俺と、いてくれる?」



レイはぱちくりと目をしばたかせた。


(あぁ、仲間としてね…。)



少し残念に思ったけど、レイは笑って頷いた。




────さぁ、今度は私の番。




そう意気込んで口を開いたが、すぐに喉まで出かかった言葉を呑み込んだ。




「…」




アレンの右手がレイの左手を、アレンの左手がレイの右手を握っていた。


そしてアレンは、また口を開いた。




「ありがとう。…俺、レイが好きだよ」



右手だけを離し、驚くレイの背中にまわして抱き締める。


左手は綺麗な右手と繋いだまま、しっかりと。