お昼休み。




朝からというものクラスのみんなに質問ぜめにされ逃げ回り、たのみの梨奈は仕事だからと置いていかれた。


薄情ものー!



落ち着ける場所を探して空き教室にはいる。



逃げ回っていたからか、休み時間があと少ししかない…。


「なんなのよもう。」


「ははっ。人気者だな」


声をするほうをみれば、蓮がそこにいた。



「笑い事じゃないんだけど」


「悪い、悪い。ただ、手のひらを返したようにみんな近づいてきて、必死に仲良くしようとする姿が…気にくわない」



「え…」

さっきまで笑っていたのに、話しているうちに真剣な表情になる。



その真剣な表情に胸が高鳴り、顔に熱があつまっていく。
恥ずかしくなってうち向いた所に蓮が近づいてきたのが影でわかる。





「秘密をしってるのは俺だけでよかったのに」


そう、おでこに、ちゅっとキスされて。



「れ、ん?」


顔をあげればやっぱりさっきとかわらない真剣な表情の蓮がいて。


「放課後、またこの教室で」


そう言って教室を出ていってしまった。



蓮が閉める音と同時に座りこむ。


ど、どうしよ。心臓バクバクで止まらない。


真っ赤な顔をおおいながら、チャイムがなるまで座り込んでいた。