それなのに人のテリトリーに侵入してきた美少年はさっと私の心を掴んでいった



別に顔が好きなわけじゃない




どうして好きなのか自分でも分からないの




『千晶先輩!大丈夫っすか!?』




いつもは私を貶してくる癖に心配性だったり




『ちゃんと言わないと助けてあげませんよ?俺優しくないんで』




ほんとは優しいのに素直になれないところだとか




『がんばってくださいね』




優しく頭を撫でる仕草も全部





「好き、だなあ」



好きだった




そう言える日がくるのかな?




私は誰にもばれないように声を殺して泣き続けた