「…千晶先輩は、慎先輩のことどう思いますか?」
ようやく口を開いた藤宮光はうつむいていた。
「慎ちゃん…?」
どうして急に慎ちゃん?
正直、そう思ってしまった。
だって藤宮光が好きだから…
藤宮光のことをもっと知りたいって思ってしまう。
私の話も慎ちゃんの話も翔太の話も要らない
藤宮光だけが知りたい。
「…たとえば、慎先輩が千晶先輩を好きだったとして、その気持ちは千晶先輩にとってはどうなんすか?嬉しいっすか?嫌な気持ちになりますか?」
それなのに藤宮光は慎ちゃんの話ばかりするから
少しだけ…意地悪をしてしまった
「嬉しいよ!誰だってイケメンな彼氏は欲しいし!慎ちゃんとは普通に仲いいし!ずっと前から知り合いだしね!」
思ってもないことを言ってしまった
「…そうですか」
どんどん声が小さくなる藤宮光。
「…どうしたの?」
藤宮光以外の気持ちなんて本当は嬉しくない
藤宮光が好きなの
正直にそういえばよかった

