「ひ、輝~~~~!?」
そこに写っていたのは洋太の肩に頭をあずけて微笑む我が妹
「俺輝ちゃんに本気だから、認めてよお兄ちゃん」
ニヤニヤする洋太はたぶん輝のことを考えているんだろう
…こ、こんなやつに輝を任せるなんて……
「い、嫌だ!認められん!輝にはまともなやつと幸せになってもらうんだ!」
俺はドカッと洋太の前の席に腰をおろした
「…へえ?今のお前には恋する気持ちわかるはずなのに、そんなこと言っちゃうんだ?」
口を尖らせて言った洋太の言葉にはっとする
人が恋する気持ちを妨害できる権利を持つ人はどこかにいるだろうか
答えは否。
とりあえず日本においては、どう考えて何を思おうが本人の害されない自由となっているから
こんな話を丹田千晶にしたら意味が分からないと睨まれる気がする
わざわざ難しい話にしなくてもいいじゃん
頭が固い男は嫌われやすいよ?
そんな話して楽しいって思う女の子なんていないんだから
前の俺だったらそんなことを言われたとしても耳も貸さなかっただろうな…
でも今はそう言われるだろうと想像するだけで面白くて、どきどきして、嫌われやすいって言葉に胸が痛む
こんなときは堪らなく思うんだよな
「俺、丹田千晶が好きだな」
目を見開くと洋太が笑った
「…って、顔に書いてあったよ」

