「…んん」
学校を出てから一時間ほど、慎先輩と別れて、ようやく丹田千晶をベットに寝かせることができた。
「寒かったよな…悪い…」
布団の場所は前来たときに見つけていたからすぐ用意できた。
薬も、熱冷ましも前のが十分残っている
「光…」
キッチンへ行っていた翔太先輩がコーヒーを持ってきてくれた。
「…昔はここでよく遊んだんだ。まだおじさんもおばさんもここにて俺を可愛がっていてくれたとき」
丹田千晶の許可もなくコーヒーが運ばれてきたことに眉をひそめたことに気づいたのか、言い訳ともとれる思いで話を始める。
「おじさんとおばさんはすごく過保護で、最初は千晶が俺と仲良くするのを気嫌っていた。でも、いつだったかな…急にここに入ることを許されて…それから朝から晩まで千晶と遊んだよ。時には喧嘩もして、でもそんなときでもおじさんとおばさんはなぜか微笑んで見守っていた」
ぼーっとしながら話していた翔太先輩が、丹田千晶をふと見て辛そうな顔をする。
「でも、それから1年くらい経っておじさんとおばさんはこの家を出ていった。千晶には何も告げずに。」
「…には?」
俺の言葉に翔太先輩はこくりと頷く

