「あ、翔太」
マンションの目の前の公園でただ立っていた慎先輩
翔太先輩を見ると目を細めて、そのあと俺を見て…いや正確には丹田千晶を見てもっと目を細めた
「千晶、こんなとこにいたんだね。通りで帰りが遅いと思ったよ」
丹田千晶のサラサラの髪に触れて、愛しそうに見つめた
慎先輩、まさかずっとここで丹田千晶を…?
「これが俺の毎日の日課」
慎先輩はふっと笑った
「友達以上になれないって知ってるから。それでも友達以上に千晶を知りたくてこんなことしてる。」
その姿に胸が痛んだ
丹田千晶の側にいれない
その辛さを表情だけで感じ取ってしまった

