「風邪をぶり返したのね~。何か頭を使うようなことでも考えたのかしら」
保健の先生は丹田千晶の額に熱冷ましを張りながらそう言った。
「この子、難しいこと考えるとすぐ熱出るから」
とくすくす笑ってもいた
保健の先生にお礼を言って、丹田千晶をおぶる。
翔太先輩には荷物をもってもらって、俺は背中に丹田千晶の温もりを感じていた
「光、ごめんな」
「なにがっすか」
翔太先輩は申し訳なさそうに眉を八の字にしていた
「家逆なのに。それに、俺が千晶と話したからこんなことに…」
「どーゆーことっすか」
俺の声はいつもより数段低く出た。
「いや、俺千晶に恋愛相談してて…そこまではよかったんだけど」
翔太先輩が恋愛?と思ったけど、今はそれよりも続きが気になる
「けど?」
翔太先輩はごくりと唾を飲んで話はじめた
「あの日…お前らが千晶のお見舞いに行った時のことでどうしても気になることがあって…千晶に聞いたんだよ」
お前ら…?
あの日、俺以外の誰かも丹田千晶に会いに行ったのか?
また、ドロドロとしたものが溢れ出す

