「遅い…」




荷物を取ってくるから待っててと言われてから早30分




俺を待たせるなんて…ただじゃおかねえ



そう思ってから早20分




お仕置きを考えるのが楽しくてしょうがなくなってから早10分




ほんと、丹田千晶のことを考えていると飽きない




そんなことを思うようになった自分に苦笑する。





「早く来ねえかな…」




怒ったふりをしたらどうなるだろう



焦ったようにして甘えてくるだろうか




…いや、それはないな






「…くくく」




込み上げる笑いを抑えていると





「千晶!!!!!千晶!!!!!」






三年生の教室がある一階から翔太先輩の声が聞こえてきた






『千晶』




その単語を聞いた瞬間走り出した俺。




俺ってこんなやつだったっけか。