「慎って、誰にお前の家聞いたんだ?」





翔太の素朴な疑問。



私にとっての大きな疑問。





そういえばあの日、彼は翔太はバスケをしていると言っていた




けれどあの日、翔太は菜々子ちゃんと一緒にいた






あの日、私は翔太に家を聞いてきたんだと思った




けれど翔太は何も知らない。






慎ちゃんは菜々子ちゃんと美沙ちゃんに話しかけるほど仲はよくなくて




私か翔太がいないときは、二人をまるで空気のように扱う。






菜々子ちゃんが慎ちゃんって呼ぶのを許したのだって、翔太が翔ちゃん呼びを認めたからダメだって言えなくなっただけだと前言い訳のように私に話していた





私でも、翔太でも、菜々子ちゃんでも、美沙ちゃんでもない。





じゃあ誰が…?





なんだかもやもやしたものが全身を巡っていく






翔太は眉間にしわがよった私の顔を見て何かを察したらしく違う話題を話し出した。