「…あ!翔太!」
教室に行くと翔太が珍しくぼーっとして机に座っていた
「おー、千晶かー」
私を見た顔はなぜか赤く見える。
「顔赤いけどどうしたの?ってか、部活は?」
よく見るとバスケ部で揃えたジャージを着ている翔太。
バスケ命の翔太がバスケもしないでここにいるなんて…ありえない。
だって"バスケ"という言葉を聞いたとき、翔太の肩がびくりと跳ねた
「…千晶……おかしいんだ俺」
「おかしい?」
不安そう私を見つめる翔太。
「慎がお前のとこに行った日…俺、一人で帰るの暇で適当に町をうろうろしてたんだよ」
そこまで話すと手をぎゅっと握ってうつむいた
「そしたら菜々子に会って…なんとなく、暇だったからただ菜々子の買い物に付き合ったんだ」

