意地悪な君の恋の仕方





「…なんか、慎おかしかったな」




「…だよね、慎ちゃん大丈夫かな」





今は放課後の掃除の時間。



美沙ちゃんと菜々子ちゃんとブラシを持って話していると、自然と慎ちゃんの話になった。




あのあと昼休みが終わる少し前に戻ってきた慎ちゃん




ボーッとしていて、私たちを見るとふっと微笑んだ。




「…」





そしてなにも言わずに窓際の席に座った。





これが、慎ちゃんに何かあったと私たちに確信を持たせた。





いつもの慎ちゃんなら




「…千晶、遠くから見るとスタイルよく見えっぞ」



とか、私をからかってきたり





「…千晶~もっとケツに肉つけろよ~」




とか、私にセクハラっぽいこと言ってきたり





…よくよく考えれば体のことばっかり?





とにかく、なにか余計なことを言うのに今日はなにも言わなかった