意地悪な君の恋の仕方





「こんちわー」




綺麗な声でふざけた挨拶をする人物なんて一人しかない




その一人が誰なのかもちろん私はわかっているけど…






「「「「こんにちはー」」」」





「…」





こんにちは、なんて簡単な五文字を声に出せなかった




いや、挨拶をしないなんて今までよくあったことだけど!!!!



ってかあいつから挨拶されたことの方がすくないけど!!!!






そんなことを考えていると





「無視っすか、千晶先輩」




頭の上から藤宮光が登場した




「な、な、な…」





驚きすぎてなんていっていいのかわからない。




ただ藤宮光のサラサラした髪が頬に触れてくすぐったくて…





「…なんか、顔赤くないっすか?」





「…う、うるさい!!!」





藤宮光から一定距離をとるように離れて、熱くなった頬を冷たい両手で包む。





な、なんで髪が頬に触れるくらい近くにいるのよ!?